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一票の軽さ? [雑感]

今朝、目をさましながら、何か胸がざわざわイヤな感じ。
<昨日、何かイヤなことがあったんだっけ・・? あ、自民党が大勝したんだった・・>と思い出した。

テレビをつけて珍しく長々と選挙解析のような番組を見た。
新聞もすみからすみまで読んだ。(これもめったにないこと)
小選挙区制度のせいで、得票率以上の議席獲得になるのはわかっていたけれど、それにしても自公で325議席とは。そこに維新の会の54議席・・。

自民党の全国の比例得票数は1662万票。
2005年は2588万票、2009年1881万票で、得に自民党支持が増えたというのではないようだが、政権交代前の自民党の政治がまた始まるかと思うと暗い気持ちになる。
これが日本社会の顔になると思うと不安になる。

投票率は前回、前々回より10%も下がったが、私も投票に行く気がしなかったから、こんなものかもしれない。
結局、「脱原発」も「消費税反対」も、世間の注目を集めなかった。
世間というのは、何よりも景気が一番大切で、なんとなく景気を良くしてくれそうな党を選ぶものなのだろう。
「脱原発」、あるいは「消費税反対」をただ叫ぶだけでは、選挙結果には結びつかないだろうとは思っていた。
「憲法改悪反対」なんて、票を減らすだけの効果しかなかったようだ。


一般の人の感覚では、「原発問題」は、自分たち庶民が決めることではなく(つまりは選挙の争点ではなく)、自分たちより世知に長けている政治家さんたちがうまく道筋をつけてくれればいいと思うような事柄で、まずは景気対策が大事なのだ。

「消費税」は、ヨーロッパなどの社会福祉国家を見れば、社会保障のためにある程度の増税は、いずれは、やむを得ないと思っている人がほとんどだろうと思う。
増税の前にもっとすべきことがある、という主張は、たいしたインパクトは与えない。無駄をなくすのは当然のことで、だからと言ってこれからずっと消費税を上げずに行ける、とは誰も思っていない。「富裕層」や大企業ばかりが得をしている、と言われても、そんなのは人間社会が始まって以来そういうものだ、とみな受け入れている。格差や不平等をなんとかしなければと思っている人は国民の一割ぐらいでなのではないか?

「憲法改正」については、改正したら大変なことになるという危機感をもつ人はものすごく少ない。
「アメリカに押し付けられた憲法だ」という人や「もうそろそろ変え時だろう」など言う人がいて、そういう人は、何のために変えようとしているのか、そもそも憲法を国民は熟知し、憲法を基本にして物事を考えているのか、については考えもしないようだ。


選挙があるたびに考えてしまう。
この「私の一票」は、何かしらの価値があるのかないのかと・・。
一票差で決まったなどという話は聞いたこともない。(学級委員の選挙じゃないのだ)

選挙に影響を及ぼすのは、ある程度の票のかたまり・・ということになる。だから、私の一票はあってもなくても同じなのである。
ところが、ある程度の票のかたまりを作るには一票一票なのであって、だからこそ、一票は大事ということになる。
それでも現実問題として、私が選挙に行くか行かないか(つまり私の一票)は、依然として何の価値も持っていないことにかわりはない。

選挙があるたびに<意味のない一票>ということが頭に浮かび、選挙に行こうか行くまいか考えてしまう私。
一票の軽さが一票の重さに変わるとき、何か特殊なエネルギー転換のようなものがあるように感じるが、それはどうにもうまく把握できない。まるでブラックボックスである。

選挙運動を見ていても、立ち会い演説で心を動かされる人はいるのだろうか、握手して一人一人に「ヨロシクオネガイシマス」と呼びかけることにどれほどの効果があるのだろう、と私は思う。
でも、有権者の何割かが、演説や握手で候補者を決めるタイプの人だとしたら、効果はあるのだろう。


ある人が一票は136万円だ、と言ったので」へ〜っ・・」と思った。どこかで読んだらしいが、選挙費用を有権者数で割ると、有権者一人当たりが払う額は136万円なのだそうだ。
「だから一票を大事に使った方がいいよ」とその人は言った。
費用に換算してみてもね・・。
やはり私には、自分の票が軽いのか、それがどこの段階で重くなるのか、それとも軽いままなのか・・謎のままである。


毎日新聞(12月17日夕)によると、

韓国メディア「極右的な公約を掲げた自民党が圧勝」「改憲論者本格化する可能性もある」と報道。
英BBC放送「日本は右傾化した」と分析。

これからどうなることやら。



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mai

tamaraさん、お久しぶりです。予想していたとはいえ、たいへんなことになりましたね。私たちの1票ずつを固まりに変えるのにはどうしたらいいのでしょうね。精神衛生上、しばらくは、ふつうの情報は遮断しようと思っています。
by mai (2012-12-17 20:38) 

shira

 内田樹のブログを読んで思い出しましたが、「小泉劇場」以降の国政選挙は衆院も参院もすべて与党大敗なんですよ。今の選挙システムはどうも結果が極端に出やすいです。で、これだけ与野党の力関係がちょくちょく変わるのなら、政治状況も社会状況も激しく動いてしかりなんですけど、世の中は割と同じような状況(あまりいい状況じゃないけど)のまま推移してます。してみると選挙結果って何なのかなと思います。
by shira (2012-12-17 21:09) 

tamara

>maiさん、本当に何と言ってよいやら・・です。
知人から朝の通勤電車で「回りがみんな敵に見える」とメールが・・。私の返事=「なんとかうまく生きのびよう!」でした。神経を逆なでされるのはまっぴらですので、他のことに目を向けていましょうね。
by tamara (2012-12-17 21:48) 

tamara

>shiraさん、与党大敗の傾向あり、ですか。なんでしょうね。私は、所詮、日本は自民党気質ともいうようなものでできあがっているんだな、と思うことが多いです。そこにいるのが一番居心地がいいのが自民党的な考えで、「原発も仕方ねえ」みたいな結論が結局は出てきてしまうんですね。
by tamara (2012-12-17 22:09) 

齊藤

55年体制を突き崩そうとした小選挙区制が、政権交代のあと、ブーメランのように戻ってきた印象です。もはや悪法でしかない。テレビ・ネット時代のいまは、地方ごとに割り振るより、すべて比例にしてほしいと思います。
それにしても、愚かな者たちがまた権力を握ったものです。ただ、まだまだチャンスはありますね。
by 齊藤 (2012-12-18 07:50) 

tamara

>斉藤さん、まったく速いブーメランでした。
小選挙区制の不合理さを誰もが感じたと思います。
今回の選挙後の世間の様子は(といっても私の回りですが)、自民党が勝ったぞ!という盛り上がりはほとんどなく、話題にもなっていないようでした。
これからまた「過去のあの顔」を見ることになると思うとゲンナリしますが、まだチャンスはあると私も思います。
しばらくは我慢です!

by tamara (2012-12-18 21:40) 

Ladybird

 「私たちは肉屋に包丁を渡してしまった豚」だと言った人がいるそうです.けだし名言.
by Ladybird (2012-12-23 02:11) 

tamara

>とてもわかりやすい例えですね。
今私たちが置かれている状況はまさにそんな感じです。
怖いおとぎ話に出てくるシーンのようです。




by tamara (2012-12-23 22:11) 

ayu15

噂では国家公務員の政治参加がほとんど禁止状態(投票権はありますが)のルールも押し付けらしいとか。


本当かどうか知りませんが、仮にそうだとしたらなぜ憲法押し付けだという人はこちらも押し付けと言わないんでしょう??


by ayu15 (2012-12-31 22:54) 

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