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秋の信州〜イワナの産卵〜 [環境・自然]

IMGP2599.jpg大イワナ

今年の8,9月、そして10月も、本当に雨が少なく、家の前の小さな川に住むイワナは大丈夫かと気がかりだった。いつも定位置にいる大イワナが6月以来サッパリ見えなくなった。(昨年は7月も8月も何匹も元気な姿を見せていたのに・・。)

こんな小さな川でもイワナが生息しているという話はあっという間に広まって、昨年から釣りに来る人がいる、と近所の人から聞いて驚いた。
大きな川と違い、U字溝で分断された短い川なので、釣ってしまえばすぐに絶滅してしまうだろう。その話を聞いてとても不安になった。

8月、実際に釣りに来たグループに出会った。
(「こんな所でイワナが釣れるらしいぜ」と言っていた・・。)
そのときは、ここは大きな川とつながっていないため、釣りをすればすぐに絶滅してしまうことを伝え、釣りを止めてもらった。
この小川はもとは大きな川の支流だったが道路建設などで分断され、そこに残されたイワナがたまたま生きのびているだけなのだ。

あの大イワナはもう釣られてしまったのだろうと悲嘆していたら、10月25日の昼間、その姿を見た。
3日前に雨が降って川の水かさが増えホッとして、少し川をきれいにしようとあちこちにたまった落ち葉を搔き出していたとき、すぐ目の前にいた。
はじめは木の枝か棒きれが落ちているのかと思った。
じっと見ていたら尾びれが動いた。サンマのような大きさのイワナだった。無事に生きていたのかと思い、とても嬉しかった。
昼間はイワナの姿はなかなか見られないが、なぜかおっとりとして身を隠そうとしないので写真が撮れた。(午後2時)
夕方6時頃(もう真っ暗)ライトで探したら、小さなイワナと寄り添っていた。産卵期なのだろう。サンマイワナはしつこく小さなイワナ(少し色が濃い)を追い回している。30分も観察していたらすっかり身体が冷えてしまいいったん引き上げたけれど、2時間後にまた見に行くと同じように追いかけていた。

産卵の場所は水が澄んでいて流れはゆるやか、底に小石が敷きつめられているようなところがいいらしい。泥水では酸素不足になってしまうのだろう。

翌朝もまだ産卵行動が続いているようでバシャッと水音を立てながら泳ぐのを見た。その日の夕方からまた姿は見えなくなった。
もう少し上流に移動したのだろうか。それにしても水が少なすぎる。上流も水はたいしたことがなく、おまけに川辺の草がすっかり刈られ、イワナが落ち着ける場所がなくなってしまっている。

無事に卵が孵ってくれるといい。

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コメント 2

jmh

家の前の川に「サンマイワナ」…。tamaraさん、すばらしいところにお住まいですね。でも、常日頃の自然に対するきめ細かな目線がなくては、目に映っているものも見えないと思います。
ともあれ、突然の釣り人の出現でイワナを絶滅させられるようなことにならなくてよかったですね。
どんどん少なくなっている貴重な自然とともに生きることは、大変だけど素晴らしいことだと、この頃強く感じています。また折々信州の自然の様子を知らせて下さい。楽しみにしています。

by jmh (2012-11-05 20:03) 

tamara

jmhさん、ありがとうございます。夜は2,3回川の様子を見に外に出ます。私は近眼なのですが「見たい」と思っているといろんなものが見えてくるようです。樹の高い梢で遊んでいる鳥の姿が見え、遠くの木々を渡り歩くリスの様子も見えてしまいます。
これからの季節、夜空を見上げて星座を眺める楽しみも加わりますよ。その代わり、町中ではうつむいて歩いています(笑)。
by tamara (2012-11-06 20:02) 

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