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「原発事故のデマ」とは? [環境・自然]

福島第一原発の爆発事故で、農産物、原乳の汚染、そしてついに200km離れた埼玉や東京で飲料水の放射能汚染が報告されました。
埼玉の川口ではおととい(3月22日)に放射性ヨウ素の数値が基準値をこえ、今日はまた下がったという。
おとといは何の知らせもなく、いかにも数値が下がるのを待ってから報道したようです。

「健康に直ちに影響が出るということではありません」「デマに惑わされないように冷静に行動してください」と盛んにテレビから呼びかけがあります。
「直ちに」というのは何のなぐさめにもならず、あいまいです。
「一回摂取したから危険という事はありませんが今後は摂取しないようにしてください。」という方がわかりやすく親切だと思います。
また「デマにまどわされないように」というのはこれもまた無意味な言葉で、第一「デマ」ってどういう「デマ」なのかよくわかりません。
「危険ですよ」というのがデマなのか、「そんなに危険ではありませんよ、安全ですよ」というのがデマなのか・・。私は「安全ですよ」というのがデマだと感じますが他の人たちはどうなのでしょう。
もし、人々の危機感を「デマにまどわされている」と言っているのだとすると非常に問題だと思います。根拠のない「安全信仰」の方がずっとこわい結果になると思うからです。確かに地震後に急いで品物を買いに走ったりというのも困るのですが、生命や健康に関しては、敏感でいなければならないと思います。

体制に都合の悪い事はなるべく報道しない、のが日本の一般的な報道姿勢です。
東電は大企業なので、その企業に都合の悪いニュースをわざわざ報道するメディアはないのじゃないかと思います。ウソは報道しないとしても、選んで報道するでしょう。

原発問題は古くて新しい。
これまでもいろんな場面で「危険性」が大きく取り上げられたけれど、喉元すぎると騒ぎは鎮まって話題に上らなくなる。
久しぶりに、『地球環境・読本』を取り出してみたら、もう25年前の出版なので紙も黄ばんでしまっていますが、内容は「何だ、今でもまったく変わっていないじゃないか」というものでした。

ネットを見ると、ヤフーのWebマガジンchargerの2007年の記事がすごくわかりやすいです。原発について反対意見と賛成意見の両方をわかりやすく載せています。
原発推進してきた人たちの考え方が、今の原発事故について考える上で非常に参考になります。

(2007年4月号)
原発問題研究者に聞いてみました
「日本の原子力発電って大丈夫なのか?」
http://promotion.yahoo.co.jp/charger/200704/contents05/theme05.php

(2007年5月号)
経済産業省に聞いてみました
「原子力発電のこと、ちゃんと教えて?」
http://promotion.yahoo.co.jp/charger/200705/contents07/theme07_02.php

経済産業省の話しはとてもわかりやすいので抜粋しますと、

ー引用ー

<Charger編集部:いつか大事故が起きるんじゃないかと不安なんですけど。>

<答え>原子力発電所では、事故を防ぎ安全を確保する上で重要な機能や機器は多重化されています。例えば、冷却水の循環が止まると炉内の除熱ができなくなってしまうので、ひとつの系統が壊れてもそれをカバーして冷却水を循環させる仕組みが用意されています。発電所周辺の住民のみなさんには、こうした機能も全て働かないといったあえて「過剰」な想定をした防災訓練にも参加していただいています。我々として不本意なのは、過剰な想定をした訓練を行うがために、逆に「そういう事態が起こるのではないか」という不安を抱いてしまう方もいることなんですね。

ー引用ここまでー

今回の原発事故はこの経済産業省の答えを見事にひっくり返してしまたことがはっきりわかります。「デマ」はこっちだ、と気づきます。
様々な報道のうち、どのくらい真実が入っているかは、私たち視聴者が考えていかなければなりません。

政府には、たとえパニックが起ころうと覚悟して、人々に真実を伝えるよう最大限の努力をしてもらいたいです。

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コメント 5

ayu15

落ち着くまで批判したくないんですが・・・。

安全だという見解がデマにかんじかねないほど不安募ります。
不安は不信になlちゅていきそうです。

by ayu15 (2011-03-26 11:23) 

tamara

この事故が落ち着くのかどうか・・先が見えませんね。
今は批判すべきときではない、という考えもあるようですが(なぜかわかりません)、原発問題についてよく知らない人も多いと思います。今が自分の問題として受け止められるときではないでしょうか。
「海は広いからだんだん放射性物質もうすまっていくから大きな影響はない」なんて、信じられない言い草です。
by tamara (2011-03-26 20:48) 

jmh

誰がデマを言ってきたのかがはっきりしてきた気がします。
「オール電化」などは、まさに電力資本と政府がいっしょになった「騙しの構図」だったとしか思えません。「踊らされないこと」に神経を使わなくてはならないとは・・・困った世の中ですね。
by jmh (2011-03-28 22:47) 

tamara

化石燃料を節約しながら使っていくしかないのではと思います。日本は電気を使いすぎですね。いくらでも節約できる部分はあると思います。

放射能汚染だけはやってはならないことなのに・・。原発事故がこれからどうなるのかとても心配です。
by tamara (2011-03-29 21:16) 

ayu15

うちもとうとう書きました。まちきれなくて・・。
by ayu15 (2011-03-31 22:09) 

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