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「憲法改正問題」について [社会]

参院選が間近になってしまい、その結果どうなるのかを考えて、今から嫌な気分になっている。
原発が自民党によってどんどん力で押し進められていく今の状況を見れば、参院選の結果で自民圧勝となった場合、一体どんな世の中になってしまうのだろうと思う。

教育基本法改定のときは、まだ「憲法」があると思っていたが、その「憲法」が変えられてしまうとなれば、もう手の打ちようがない感じがする。

日本が世界に誇れるのは、経済活動ではなく、「平和憲法」のおかげでこれまで軍事活動というものをしてこなかった事ではないかと思う。
国際的に見ても治安の良さは優れている方だと思うが、これも「平和憲法」が持つ力の一つ(側面)のおかげではないか。
「平和ボケ」という言葉がある。あまりに「平和」が当たり前で「平和のありがたみを忘れてしまう」という意味だろうと思うが、「平和に慣れすぎて、今迫り来る脅威に無頓着すぎる」という意味に使う人がいる。
こういう人には「平和ボケで何が悪い」と言いたくなる。迫り来る脅威を武力をで制するというのは、時代逆行もはなはだしい。

暴力はいけない、もめ事を暴力で解決してはならない、という感覚は多くの日本人がごく自然に持っている感覚だと思う。
そこら辺にゴミは捨ててはいけない、と言う感覚と同じようなものだ。
(もちろん、そういう感覚を持っていない人だっているけれど)
そういう気質は「平和憲法」によって根付いてきたのだと思う。
戦前は、暴力も大儀のためにはやむを得ず、人の命も国家のためなら喜んで投げ出すのが正しいとされてきた。それが日本人だと言われていた。

「平和憲法」は戦後、私たち日本人の血となり肉になってきたのだ。
そうして、こういう私たちは、一人一人尊重されるべき存在であり、自由に物を考え、自由に表現、発言し、自由に生きる権利を持っている。
自由と言っても、「平和憲法」があるから、他人への暴力は許されない。
社会の仕組みは、人に命令されるのではなく、こういう私たちが主体となって変えていくものなのある。社会の仕組みは、いっときの与党政府がどさくさまぎれに変えていいものではない、ということだ。

「平和主義」「基本的人権の尊重」「主権在民」

この3本柱を持つ日本国憲法はとても良くできている。
一部の人間が(最近はかなり多くの人?)金儲けだけに走っても、この憲法がある限り、まだ希望は持てる。

さて憲法が改正されてしまったら?

自民党や維新の会は、憲法を変えやすくするために「憲法第96条改正」を唱える。
「平和主義」を変えて軍事活動をできるようにしたい、「人権尊重」より、国家を優先するようにしたい、主権は国民にあると見せかけ、さっさと政治家主導でいろんなことをしたい・・。
ただし・・と憲法改正をめざす政治家は言う。

国民の意向は大事だから、厳格さも必要で国民投票のハードルは高くすべきだ、と。だったら96条をそのままにしておいて何が問題なのか。

つまりは、いったん憲法を変えてしまえば、その後はどうにでもなる、と思っているのが見え見えの発言なのである。急にあれもこれも変えると批判されるから、少しずつ、いずれ10年くらいのうちには変えられると思っている。
TPPもそう。一応これは例外にするからと言って始めてしまえば、頃合いを見て他の部分を変えることはいくらでもできる。

今までもすべてそうだった。
安全ですよ、と言って安全ではなかった。でも、失敗しても時が経てばみんな忘れていく。
君が代は強制はしませんよ、と言って、強制が始まった。いくらそんなはずではなかった、と言ってもどうにもならないのである。
世間をあざむくのも政治だと思っているにちがいない。

自民党が衆参院で圧倒的多数を占めるということは、これまでかろうじて残っていた「良き日本」(という言葉で表されるようなもの)がなし崩しになくなっていく、ということだと思う。

原発事故という大事故の処理も進まないうち(進められないのだが)、反省もきちんとせず、アベノミクスというおかしな言葉をさも大事そうに持ち上げ、憲法9条も捨て、基本的人権もけずっていっていいよ、というのが世論とはとても信じがたい。
きっと何かの間違いでしょう。



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コメント 7

shira

 ええ、間違いですね。そんな世論はないですよ。憲法改正についてどう思いますかという質問をして賛成とか反対とか返事が返ればそれは世論調査に反映されますが、「今なんで憲法なの?」という人の意見は世論調査には反映されません。原発を進めたいのは自民党と電力会社と財界と読売産経日経グループの利権のためであって、彼らが自分に都合のいい世論をバラまくのはある意味当然です。
 本当の世論は、もっと別のところにありますよ。中央メディアはそういうものに興味がないだけの話です。
by shira (2013-07-01 20:27) 

jmh

憲法は「国の理想の姿」なのだと思います。
そこに住む人々がどんな国をめざしたいのか、その理想を忘れないために書き留めておくものなのだと思っています。

憲法を改正したい人たちは、現実的な課題をあれもこれも憲法に書き込みたがっているようですが、それはまったくの的外れなことだと思います。必要なら憲法の理念に基づく法律がいくらでも作れるのですから。
まして憲法の最大の力、「権力を縛る」という役割を逆転させようとするような動きは、憲法の中身の論議以前の話です。

憲法についての議論は大いにけっこうですが、今のうごきは、大前提である「憲法の位置づけ」をなしくずしにして、憲法を自分たちの利益追求の道具にしようとするようなものに見えます。

今回の改憲の動きは、みんなが自分にとっての憲法を考えるいいチャンスなのだと思います。やっぱり大切なものはみんなで気持ちを合わせて守っていかないといけませんね。
by jmh (2013-07-01 22:10) 

tamara

shiraさん、世論調査で一番気になるのは自民党の支持率です。
今日(7月1日)の毎日新聞によると、比例投票で「自民」と答えた人は45%(20代は6割強)とありました。回答率は60%ほどなので実際には27%が支持しているだけなのですが、これが大きいのですね。
選挙が思いやられます。
by tamara (2013-07-01 22:47) 

tamara

jmhさん、憲法を読むとその言葉の持つ気迫に圧倒されます。第二次大戦という人類史上最大の悲劇の後に、新しい国を造ろうという必死な思いで生まれたのが日本国憲法だと思います。軽く取り扱っていいはずがない。国民のリーダーなら、まず「もっと憲法をしっかり勉強しなさい」というメッセージを送るべきでしょう。そうではなく憲法を変えたいので変えやすくしたいと主張する政治家たちは、やはり、リーダーではなくただの「権力者」(庶民の敵ですね)なのだな、とつくづく感じます。
by tamara (2013-07-01 23:47) 

ayu15

ほんとそうですね。
うちはおかしな発言してる某市長よりこちらが気になります。

根拠のない不安は
都議選では見事に・・・。

力失った仮称王政復古党は大敗。(好きじゃないけど)

で仮称国家主権・道徳右翼党は大勝です。



マイナンバー・原子力規制
などなど

たぶん問題だらけだけどそれほど腹黒くない??
某市長よりたぶん厄介で達が悪いと思えます。



束縛魔のダーリン  7月21日編 
パンツがスケスケ丸見えどころじゃないわ  
でうちの不安は書いてます。

不安でたまりません。
by ayu15 (2013-07-13 08:59) 

tamara

経済界や官僚と長い間しっかりつながってきた政党というのがいかにしぶといものか、ということですね。
先行きはきわめて暗い感じがします。



by tamara (2013-07-13 23:34) 

ayu15

今日も日記に書きました。
やばいです。
by ayu15 (2013-07-17 16:15) 

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