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情けない新聞報道 [社会]

今日(9月7日)の毎日新聞のオピニオン。
8月30日の国会前大集会のニュースを翌日(8月31日朝刊)各紙がどう扱ったかという記事だった。

私は毎日、読売、東京新聞を比べて見たが、正直言ってとてもガッカリした。
私が購読している毎日新聞は一面を半分ほど使っての記事だったが、トップ記事ではなかった。
トップ記事は「訪日客向け『民泊』拡大」という見出しで、なぜそれが安保法案反対の最大規模の集会の記事よりも大事なニュースであるのか全く理解できなかった。
新聞社の中にもいろいろな部署があり、報道部がいかにがんばってこの大事態を報道しようとしても上のどこかで止められてしまうのだろうか。
今回ばかりは、もう新聞は止めようかと思った。「特集ワイド」でいくら識者の素晴らしい意見を載せてくれているとしても、安保法案に反対する必死な人々の思いを大切にしないような新聞はもう読みたくない。

朝日を購読している知人が、朝日も同じような感じだ、と言っていた。
どうせそうだろう。

読売新聞なんか、ニュースがどこにあるのかなかなか見つからず、やっと一番後ろの社会面にほんのちいさな記事。問題外。悪意を感じるのみ。

東京新聞だけが、大集会の報道に一面全部を使い、紙面いっぱいに国会前に押し寄せた人々の写真を載せていた。
国会前のあの写真は非常にインパクトがあるので、あれを大きく載せるかそれとも小さなサイズにして載せるかは、ものすごい違いになってしまう。

その8月30日、私は大集会が終わる3時頃国会前に行った。
抗議表明をするために出かけていくのだから、時間は自分の都合のつく範囲に出かけることにしている。どこの団体に参加するとかは関係なく、できる範囲で参加する。
一ヶ月ほど前に行ったとき、みんながんばっているな〜、特に若者が目立つな〜、という感想を持った。
でもまだまだ集まる人が少ないと感じたし、この10倍(10万人)くらい集まればいいな、と思った。

でも実際に10万人集会の規模になると、参加するのも容易ではない。
何回目かの集会に友人が出かけたときはかなりの人出で、「身の危険を感じるくらいで、早々に退散した。」と言っていた。
私も人混みは大の苦手で、人がぎっしり集まり身動きできない状態というのは、考えるだけで怖ろしく、それで8月30日も時間差で参加した。
大集会は散会していたが、私と同様に遅い時間にもどんどん人は集まって、スピーチ、シュプレヒコールが行われていた。
私が行ったとき、スピーチ、シュプレヒコールの中心になっていたのは、SEALDs(?)だったが、中年の人、年配の人、一人静かに離れたところに立っている人・・など、要するに年代を超えて安保法案に反対する人が集まっていたのだ。

若い人のスピーチは新鮮でなかなかいいものだなと思った。
シュプレヒコールはとてもリズミカルで、「アベは、やめろ」「アベは、やめろ」が二拍子で繰り返されていたかと思うとそれがすっと「ア、ベ、は、や、め、ろ」の三拍子に変わったり、「集団的自衛権はいらない」は8拍、「集団的自衛権は許さない」だと9拍というふうに自由自在に拍子を取る。「自民党ってなんか感じ悪いよね」などという長い言葉もうまく9拍のリズムに乗って唱えてしまう。
すごく感心した。
(私の時代だと「○○、はんた〜い!」と生真面目で単調なシュプレヒコールばかりで、私はこのシュプレヒコールがとても苦手で、ほとんど声を出さなかった。)

共産党の「赤旗」の号外がもう配られていて、この日の大集会がいかにすごいものだったかを写真で見て震撼した。

あの集会を警察が3万と発表し、主宰者側は12万と発表し、自民党の幹部の誰かが「なぜこんなに違うんでしょうね〜」とせせら笑うような発言をしていたが、写真見てわからないのか、と思った。
競馬中継などで「今日は8万人の観衆です」だの「10万人もの人が・・」など言っているのを聞くと、「これだけの人が国会を取り囲んでくれたらな〜」など、時々ばかげた空想をしてしまう癖があるけど、
この日のこの写真の国会前の人の数は本当にすごかった。
「数は問題じゃない」などという人がいるけれど、あの写真はまぎれもなく10万以上でしょう。
あの中にいなくて良かった、と思ったほど。
いったん中に入ったら身動きもできないだろうし、大勢のけが人が出ても不思議ではない。
だからイラク戦争の時、各国で200万人だの100万人だの80万人などの戦争反対デモのニュースを聞いて驚いていたけれど、もっと驚くべきだったのだ・・と思った。
日本は道路も狭く、広場も狭く、何十万などという人が集まったら危険すぎてそんな集会はできないだろう。

あとは国会前のみならず、地方でも大集会が同時に起これば効果があるかもしれない。
地方でも反対の声はしっかりあがっているが、規模が小さく少人数集会が多いのでトータルとなると、政治家に見くびられてしまうのだろうか。

8月のある週末に長野に行ったとき、どこかで集会をやっていないかな〜と思い、ネットで調べたら、その日に所用で行く予定の中野市のバラ公園での集会というのを見つけた。
ちょうど良かったと思って急いで用事を済ませ1時間だけ参加したら、小さな可愛い公園で思った通りの少人数の集会。
ステージで歌う人に合わて歌を歌ったり、絵本の読み聞かせがあったり・・とても静かでなごやかな雰囲気だった。
小さな子供を連れたお母さん達が多かったから、あんな感じが合っているのだな、と思った。
驚いたのは中野市長さんからのメッセージが届いていたこと。
そして、そこでもらった9月6日の「歴史にマナブ、事実をマナブ〜歌い語り継ぐ平和へのメッセージ〜」という集会のチラシにも、後援が、中野市と市教育委員会となっていて、今どきこういう市町村があるのだ、と本当に驚いた。
信濃町でも平和を語り継ぐ会が、信濃町、信濃町教育委員会の後援で行われ、町長さんの挨拶もあったという。長野ではけっこうそういう自治体があるのだろうか。
(長野県は2014年7月の集団的自衛権の閣議決定に反対表明を出した自治体数が全国の中でも群をぬいて多かった。)

自民党は国民がいかに反対しようとお構いなく安保法案を通すと堂々と言っている。
違憲の法案を「国民を守るために必要」などと偉そうに言う。
憲法に抵触するような法案を、与党の議員数を武器にして通してしまうのか。

世論と深く関わるメディアは、それに真っ向から反対しないのか。
違憲法案が決まってしまうという大事な局面で、政治から距離を少し置いて無難にやり過ごそうというのか。





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shira

 私は地元の集会に参加しました。全国あちこちの集会・デモを全部足すと相当なもんだったはずです。
 報道については中央紙はダメですね。読売産経は論外として、他紙も腰が引けてます。会食の効果は絶大です。
 ただ、日本全体で言うと、安保法制に賛成の立場を取っている新聞は読売産経ただ2紙で、あとの中央紙と地方紙は全部反対または慎重なんですよ。新聞の場合、地方紙の方がシェアは大きいですから、影響力は限定的かもしれません。
 一番いけないのは、シェアが在京局にほぼ独占されているTVでしょう。ここはアンダーコントロールになればほぼ100%コントロールされてしまいます。
by shira (2015-09-08 22:06) 

tamara

やはりTV報道は全国津々浦々にたれ流されているわけなので、問題の深刻さは、新聞の比ではないでしょうね。
私自身がたまに報道ステーションを見るくらいで、TVの報道(?)番組を見ないので、つい忘れていますが。。
「新聞は人民の良心だ」みたいな、古くさい考えがまだあって、つい紙面が気になってしまうのです。
TVについてははじめからあきらめていて・・。

国会前での歩道と車道の境目が決壊したあのすごい集会の様子を中継しているTV局はありませんでした。
日頃の低俗で幼稚でグロテスクな番組をちらっとでも見れば、テレビを見る気は失せて見ないようになり、そういうタイプの人は放っておけばいいだけのことで、ますますやりたい放題になるのでしょうね。手のつけようがありません。

by tamara (2015-09-08 22:56) 

ayu15

悪知恵はよく働く「保守派」ですから。朝日たたきの効果が出てますね。叩きが怖くて権力に対して忖度してしまうようです。

反対派を「左翼(旧東)」呼ばわりしてますが反対派を圧力で押しつぶし自由を奪うとことか保守派こそ旧東に似ていると思います。



by ayu15 (2015-09-12 22:00) 

jmh

tamaraさんは行ってたんですね。小生は残念ながら・・・なので、前日の高崎の集会に参加していました。
こういったできごとに対する既成メディアの扱い方は、報道機関によってすいぶんな温度差がありますが、相対的にはいまひとつですね。救いはSNSなどのネットワークですが、まだまだ「誰でも」使えている状況にはありません。(実際小生もガラケーです!)
ただtamaraさんも書いておられるように、若い層の人たちが動いていることはすばらしいことです。政治や社会のことは、関心を持たなければまったく目にも耳にも入りませんが、一度そこに目が向けば、あらゆるものの見方が変わるように思えるからです。
極端な考え方の指導者の暴走を防ぐには、みんながもっともっと政治的にならなければならないと思っています。安保法案の問題はその点で大きな役割を果たしたような気がします。そういう意味ではアベさんには感謝してもいいのかな・・・などと感じています。
ホントのたたかいはこれからですね。
by jmh (2015-09-13 20:49) 

tamara

>ayu15さん、叩かれたらよけい報道人としてのプライドが権力に対峙していくものだと思うのですがね〜。新聞の購買者数は、権力に叩かれたからといって減るのでなく、権力に対して迎合するような中途半端な内容に失望して減っていくのだと思います。
by tamara (2015-09-13 22:10) 

tamara

>jmhさん、高崎市もがんばっていましたね。

最近ようやくSNSなどのネットワークをみんなが使っているわけじゃないと気がつきました。テレビしか見ない人たちには、安保法案反対の集会やデモが頻繁に行われていることをあまりよく知らない人がいます。政治には関心を持てずに、蚊帳の外に置かれて人たちも多いです。
ですから若い人たちが集会に積極的に集会にしているのを見ると「まだこの国は希望がある」と思えて元気づけられます。確かにアベの功績?と言ってもいいような気がします。
明日はまた国会に行ってきます。運動靴、飲み物、おにぎり、ライトが必需品です。(笑)
by tamara (2015-09-13 22:25) 

jmh

tamaraさん、14日は国会前お疲れ様でした。機動隊の過剰警備で大変だったようですね。
小生は18日に行ってみようと思っています。もう「決まってしまっている」かもしれませんが、やれるだけのことはやりたい。それとこれからが本当の、長いたたかいになると思うので、その「意志確認」みたいなものfです。
こんなに多くの人たちが純粋に自分の気持ちで行動し、政治に「もの申す」のはすばらしいことです。
まだあきらめるわけにはいきません。

by jmh (2015-09-15 21:29) 

tamara

14日の6時過ぎに行きました。もう最寄りの駅のホームからして人があふれ、警備員がマイクで誘導していました。8月30日に車道の柵が決壊したので今度は何か考えて来るだろうと予想していました。案の定、機動隊車両が何台も歩道脇に並びましたが、それでも決壊はしたんですよ。止まっている車の間から人がどんどん流れ出し、私も車道に出ました。
おしつぶされるかという恐怖の一瞬もありましたが、参加者はみな優しく、真剣で、お互いに声をかけあいケガ人が出ないように気をつけていました。
これ詳しくブログに書いたほうが良さそうですね。。
18日に私もまた行くつもりです。私自身も自分なりに少しはがんばっているつもりですが、私なんかよりもっともっとがんばっている人たちに応援のエールを送りたいのと、これからもがんばりましょうという意志確認ですね。
安保法制、基地問題、原発問題、国民番号制、非正規雇用・・なんせ問題は山積みですから。
by tamara (2015-09-15 23:13) 

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