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鳩山首相の施政方針演説 [社会]

今週もマスコミ報道は相変わらず民主党のこきおろしに余念がなく、各紙の記事見出しを見ても「鳩山首相しどろもどろ」とか「答えようとしない閣僚」などなど・・国会予算会議のあれこれを報道していた。実際にテレビで国会予算委員会の模様を見ていなければ、なるほど、民主党はやはりダメか、と思うのではないだろうか。
ところが私は予算委員会の与野党のやりとりを時々テレビで見ていたので、報道とはずいぶん逆の印象を受けた。野党による小沢問題の追求は常識的な庶民感情(自分が常識的庶民だとして)から遊離していて、追求している側の方がかなりの悪人に見えてしまった。追求質問の内容も仕方も稚拙というか下品というか。

かくかくしかじかのことに関してこれこれこういう疑問(あるいは意見)を持っていますが、それについてどう思われるか、あるいは真意はどうなのかという質問の形が一般的だと思うが、文を極端に短く切って「○○についてどう思われますか!」、大臣が答えると「では○○ということですね。」、再び大臣が答え、また、「では○○ですね。」という風に落とし穴探しのような単純質問をしつこく繰り返していた自民党議員・・・聞いていて不快だった。よくドラマに出てくる下品で居丈高な典型的警官役みたいで、とても国民の代表者の一人とは思えなかった。弁明のしようがないから、首相はていねいに答えていたが、記事になると「鳩山首相、低姿勢」「鳩山首相しどろもどろ」となっている。
政治資金規正法で資金管理団体は不動産取得禁止になっている(2007年から)ことを持ち出し、「こういう決まりがあるが、土地を買うつもりはありますか。すべての大臣、お答え下さい!」などとふざけた質問をした女性議員。決まりを守れるかどうか端から順番に答えよ、ということらしい。
「国会を何だと思っているんだ!小学生の学級会じゃあるまいし!」とテレビの前で憤慨していたら、大臣の一人が座ったまま、「そんなくだらん質問に答えられるか!」「政治家をバカにするな。」と。その通り、と私は思いましたよ。
これもニュースになると「答えようとしない大臣も・・」となった。

一事が万事この調子で、いかに野党が見苦しかったかを強調している報道はあまり見なかった。(私が見なかっただけかも知れないが)
なんだか最近私はもともと民主党支持でもないのに、鳩山首相を応援したくなることが多くなってきた。今までがあまりにひどすぎたせいだろう。
少なくとも、鳩山首相は、下品ではないし、差別的ではないし、まともなことを言っていることが多いと思う。まともで腰が低く丁寧だから、「リーダーシップがない」とか言われる。「私の責任でこれこれのことをやろうと思っています。」という言葉に対して「できなかったときはどうするんですか!首相を辞めますか!」などを繰り返すのは、まったく失礼きわまることだ、という感じを持つ。

一国の首相(あるいは自治体の長)から、差別発言や、歴史をゆがめた発言や、強圧的発言を聞かされることほど情けないことはないから、今の政権はよっぽどましだと思う。

29日の首相の施政方針演説を新聞で読んだが、立派なものだと思った。回りに気を使いながらも、首相自身の言葉で政治の目指す方向、理念をしっかり述べている、と思った。はじめに述べられたのが「いのちを守りたい」だ。生まれてくるいのち、働く人のいのち、年寄りのいのち、世界のいのち、地球のいのち、を守っていこうと提言している。「世界中の子どもたちが、飢餓や感染症、紛争や地雷によっていのちを奪われることのない社会・・・差別や偏見とは無縁に、人権が守られ基礎的な教育が受けられる・・」これまでの自公政権の代表には言えない言葉だろう。
新聞では例によって「理念先行で具体論に欠けた」と書かれていたが、政治に理念がなくてどうする。「理念」とは目先の具体策がまちがっていないかどうかを計る指針となるのだから。 また、「いのちを守る」という言葉は、「美しい日本」だとか、「安心安全の社会」「活力ある社会」などの言葉に比べ、ずっと具体的な方向を示しているのではないかと思う。

この50分にもなる演説だが毎日新聞に文案が作られた過程についての記事があった。
自公政権での演説づくりは各省から「短冊」と呼ばれる政策分野ごとの文書をもとに原案が作られたが、鳩山首相はトップダウンで作成したのだそうだ。
オバマ大統領の2期目の施政演説で「アメリカが世界で2位なんてことがあってはならない」には失望して、アメリカってやっぱりね・・と思い、鳩山首相の演説を読むとなかなか味わい深かった。全文に同意はできなくても、資本主義国の首相演説としてはこれ以上を望む方が過剰期待ではないかという気がする。演説は演説。良い部分は応援するとして、今後の政治の動向に注目したい。(批判ばかりで、民主党連立政権がもしだめになったとして、その後はどうなるの・・?という心配がある。)
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ayu15

与党野党がいれかわっただけで、国会は成長してませんね。言う事が逆になっただけ??

某巨人新聞は14日からほとんど毎日1面から政権批判展開してます。その日もトップです。他の某紙は新幹線止まったのがトップです。巨人新聞は新幹線は最後のほうに申し訳程度でした。
by ayu15 (2010-01-31 20:27) 

tamara

大手新聞はどこもかしこも新政権に批判的な見出しが目を惹きます。しかも、何をどうすべきと言っているのか、読んでもまったくわかりません。例えば普天間基地問題に関しても、ただ、はっきりせよ、早く決めろ、しか言っていない。主義主張を持たずに批判などできないはずですがね。(伝わってくるのは新政権がつぶれればいい、ということ?)人々はマスコミを通して物事を見るわけで、これがこわいです。
by tamara (2010-01-31 23:17) 

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