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日本の「成人の日」 [雑感]

今日は成人の日で、TVでも20歳の若者の姿や声が紹介されていた。
若者(特に女性?)について、TVでは『華やかな』という表現を用いていたが、女性の和服姿を見ると、これは『華やか』という表現はおかしいだろう、と感じてしまう。
『華やか』なんてラインはとっくに通り越して、私にはどう見ても下品としか思えない。成人式の服装を「下品」と感じる私は、もはや今の日本からは浮いているのかもしれない。それに「個性の時代」なんて言われてもやはりみな同じ格好をしているのも嫌になる。

日本の伝統芸であった「奥ゆかしさ」「つつましさ」などは、私の青年時代でさえ半ば死語のようなものだったけれど、それはどんどんひどくなってきて、さすがに日本の伝統などにさほど重きをおいて考える習慣のない私も、ああいやだなあ、と思うことが多くなった。
「もったいない」という日本語が海外でもブームなんて言われたりもしたが、ムダなことを見直そうなどという風潮もたいしたものではないようだ。あれもマスコミで騒いだときだけ?

私の一番嫌なことは、マスコミ報道がどうであれ、すぐにそれに乗っかる人がいるということだ。納豆が店頭から消えたときのことは象徴的だった。この間はなぜか豆乳が2日間行きつけのスーパー2店から姿を消した。いつもたくさんあるのに変だなと思い、知人に「豆乳のこと、何かテレビでやった?」と聞くと「そう言えば料理番組でやっていた」ということだった。やっぱりね・・。

今の若い人たちが使う言葉にも辟易しているが、それもテレビで人気アイドルだかコメディアンだかが平気で大声で使っている言葉と同じだということが最近わかった。「チクショウ、ヤベーよ、マジかよ」などなどの言葉を聞くとむかむかしてくる。もう聞き飽きた。

成人式の服装をこれでもかと飾り立てる風潮は、他の人と同じで、かつ、その中で他に負けないように、という心理が働いているようで、これも毎年一向に変わる気配はない。中には人とは違う服装をしている人もいるかもしれないが、どうもごく地味に、シンプルに、という人はいないようだ。どんな格好をしていようと、「人目を惹く格好であること」という事から自由でいる若者はいないようだ。
おとなが「世の中の顔」であるように、若者も「世の中の顔」だ。消費文化の象徴、資本主義の象徴、回りと同じでいたいという心の象徴・・。

不景気で失業者が多く厳しい社会にこんな「ど派手な成人の日」は、逆に、世の中の虚しさの現れだと言ってしまうこともできるだろう。こういう現象を日本史で習ったことを思い出す。けれど、人間一人一人の人生を、歴史の一コマ、世の姿の一つ、などと位置づけて済ます気にはとてもなれない。
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コメント 8

いしやん

tamaraさん、ま、ま、押さえて押さえて…

確かに貴方の言うことはもっともで、
私にも貴方と同じような感性が宿っているのか、
昨今の風潮を同じように感じる次第ですが
この国は今、物凄いスピードで変わっているというか
変わらされているというか
ごくフツーのお母さんが、小さな娘にミニの浴衣を着せて
「まあカワイー」なんて言ってるのが
そこらじゅうにありふれてる時代ですから…

テレビのニュースなんかは目立つところだけの
切り売りみたいなもんですから仕方ありませんが
実際に会場を見てみると、まあ90%は無個性の
ど派手軍団ですが、なかにはしっかりした若いのもおりますよ。
それに、本当に個性的で自己の確立したような連中は
会場には行きませんから。
かく言う私も参加しませんでしたし…(ずーっと昔ですが)

この国は戦後50年以上も変わらない政治体制を持つような
保守的な国でしたが、その反動でしょうかねー
些末なことではきっと浮かれたくて仕方ないのだと思います。
だから、すぐに飛びついて、すぐに醒める。
どうしようもねーなー、なんて思いながらも
最近はあまり気にしないようにしています。
そうしないと精神が正常に保てませんから。

それにしても良い所に家をお持ちですね。ご実家ですか?
20代の半ばに、信州の小谷村を旅したことがありますが
圧倒的な雪の量に感激して涙を流した記憶があります。
宿で借りた野スキーを長靴にゴムで縛り付けて山道を散策しました。

今は私も山篭りしたい気分ですが、お互いにゆっくり生きましょう。
一度、岩魚君に会って見たいものです。
その時はこっそり行きますので、場所だけご教授ください。
では、では。
by いしやん (2010-01-11 22:45) 

ayu15

うちは華やかにみえますねえ。
ていうかうちも女友達数人と華やぎたかったです。
すごく残念・・・。


本題
でもなんか神様がくれた華やかさのような・・・?
着物きこなすもっと大人の女性は男性からはともかく、うちには美しく見えます。50でも60でも美しく色気もあるようにみえます。
by ayu15 (2010-01-12 20:39) 

herosia

20の時、自分は式には出てないし、興味もないんだけど、テレヴィは選択的に妙にケバいねーちゃんを写してるんですかねえ。わざとチープな和服と下品な化粧で式典を愚弄しているとしたら若いものも見所あるということになります。
by herosia (2010-01-12 22:34) 

tamara

私も成人式には出ませんでした。
人それぞれなのでしょうが、不況だ、失業だ、就職難だ、と問題になっている時期に、一方ではああいう派手さが止まらないとことに、どうしようもなく不快感を持ちます。「享楽を求める社会」なんだなあ・・と。
by tamara (2010-01-12 23:12) 

いしやん

文科省の政務三役がついに、40人学級の見直しについて言及しましたね。最低でも30人学級、できれば25人。もしこれが、当面は35人学級で様子見、なんてことならこの政権に未来はないと思います。
by いしやん (2010-01-15 09:49) 

tamara

新聞にすごく小さく載っていましたね。30年ぶりの見直し、実現したらどんなにいいか、と思います。「少人数が望ましいが予算の関係で辛抱してもらっている」という姿勢を持っているだけでも大きな転換です。「昔は大人数だった。大人数の方が教育にいいんだ」など平然と言い放っている悪代官風教育委員会もあるのですから。
by tamara (2010-01-15 22:21) 

mami

tamaraさん、お久しぶりです。
今頃のコメントですみません。
成人の日、たまたま町(といっても、田舎の町ですが)に出ましたら、そりゃもうわんさかの、振り袖、白襟巻き(何て言うんでしょう)、盛髪の女性軍団にあちこちで遭遇しました。で、みんな同じに見える。
「みんな同じ」を是とする教育の賜物かしらん。

でも、なかにはこんな↓二十歳もいます。ちょっとうれしくないですか?
http://ameblo.jp/kikunosuke18/entry-10408891988.html


「政治とカネ」の話しも、よくぞ書いてくださった、という感じで、溜飲が下がる思いです。今後も、記事を楽しみにしています。
by mami (2010-01-25 23:46) 

tamara

mamiさん、コメントありがとうございます。
成人の日は私はあまり出歩かないようにしています(笑)。
記事のご紹介ありがとうございました。
こんな風に成人の日を自分で祝える方は幸せですね。(この記事の中で紹介されている日本熊森協会のことは私も以前から知っています。)
これからもよろしくお願いします。

by tamara (2010-01-26 22:58) 

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